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2015年8月30-31日 長崎県五島市の浮体式洋上風力発電施設,水素貯留施設を実地調査しました.

環境省適地抽出事業の調査の一環で長崎県五島市の洋上風力の実地調査に行きました.椛島沖の洋上風力発電施設の視察,風力発電の余剰電力の水素貯蔵・利活用の施設,FC船などを視察し,五島市の担当職員の方や漁協の会長さんと意見交換しました.

 

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(左上)椛島沖の洋上風力視察のためフェリー乗り場に行くと,洋上風力の模型が飾られていた.五島市は再エネ基本計画を策定していて,市全体で再エネ事業に積極的に取り組んでいる.

(右上)当日はあいにくの天候でやや雨が降っていたものの、風がやや強く吹いていたため風車はよく回転していた.浮体式は数種類あり,これはハイブリッドスパー式と呼ばれる鋼とコンクリートを併用したタイプ.2MWの実証機.右に小さく見えるのは観測タワー.

 

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(上)椛島にある水素製造・貯蔵等のプラントを視察し,市の担当の方に説明していただいた.浮体式洋上風力発電の電力で、水を電気分解し水素を製造.その水素とトルエンから常温常圧で液体のMCH(メチルシクロヘキサン)を製造・貯蔵する.

 

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(上)椛島で製造したMCHを福江島まで定期船で運搬し,脱水反応器で水素を取り出してそれを燃料にした足湯.右の白い椅子の背もたれは,初期に設置されていた小型実証機のブレードです.

五島市の浮体式洋上風力の事業は,浮体式風車の技術的な実現可能性もある程度実証されつつあり,今後が期待されます.また,漁業協調が比較的うまくいった点でもグットプラクティスとして注目されます.

国内では、現在、浮体式洋上風力がいくつか計画されていて,今後の本格的な展開が期待されます.ただ,一般海域での建設となると漁業協調などを含む社会的合意形成の問題が複雑化すること,航路調整などの許認可手続など,さまざまな問題があり,今後の研究テーマとして取り上げていきたいと思います.

ご対応いただいた五島市再生可能エネルギー推進室井川さん・北川さん他職員の方々には大変お世話になりました.ありがとうございました.